本日ドラゴンズのU12は緑区冬季大会の最終日、順位トーナメントでした。6年生9人に5年生2人の11人で参加。 予選ブロックでは2点差をつけられて追いつめられてから追いつくという、すごくいいムードでつかみ取った1位トーナメント進出。卒業をまじかに控えた6年生にとっては小学校時代の集大成の一つとなる試合です。トーナメント進出から1か月たっていますが、その間慢心せずに成長しようとしていたかが試される1日でもあります。 初戦は、ものにできれば優勝への道筋が見える大事な一戦。しかし相手は区内屈指の強豪。予選でも大量得点で失点も0。横浜市JFAリーグでは1部リーグのブロックで優勝しているチームです。 そのような相手に対して、どのように戦うのか。引きこもってしのぎ切るパターンもよぎりましたが、ここしばらくの成長を信じていつも通りの戦いをすることを確認して送り出します。とはいえ前半はリスクを冒さずに守備ブロックをしっかりと作ったうえで粘り強い守備を意識することを求めて送り出します。 どんな形でも無失点で帰ってきて欲しいというのが本心。 とはいえ選手たちも若干緊張気味かな? 前半キックオフ。相手も様子を伺いつつの振る舞いなのか、十分戦えています。ときおりヒヤッとすることもないではありませんが、こちらから見れば互角以上の戦いぶりです。いつもは高い位置からのプレスを信条としているのですが、今回はFWの運動量にたよりボールを追い回してはもらい、パスコースを限定して、中盤以下は自重気味に待ち構えます。自陣でブロックを築いていることもあって攻められているように見えますが、織り込み済み。ここのところは失点も少なく、板について来ている感じです。 中盤すぎ、ゴールキックが直接相手にわたってしまいそのまま撃ち込まれるという失点で目論見が崩れます。気落ちしているメンバー。うーむ。ベンチも同様。しかしGKのショックはもっと大きいはず。チームみんなでそのあたりを奮起につなげてくれることを期待しつつ、前半を折り返します。 ハーフタイム。 かける言葉はなかなか難しいところではありますが、試合内容は悪くないという本心を伝え、前半を踏襲しつつまずは1点を、と送り出します。ホントに想像以上の出来なのです。 相手は交代メンバーも豊富で、後半は違うチームのようになるはず。それでも前半で試合を決められると踏んでたはずで、当然攻めを強化してくるとの見立て。そこにに付け入るスキが生まれてくれれば・・・。 予定していた通りのメンバーチェンジをして後半に送り出します。 ファーストシュートこそ奪ったものの、攻められる時間帯が増えてきます。後半から入った相手FWの動きに対応しきれず危険なシーンが増えてきます。案の定、仕掛けてくる相手をペナルティエリアでファウル止めざるを得ずPKを献上。あーっ!!2点目を取られたら万事休す。あきらめてはいけないものの内心では弱気が走ります。しかし!気落ちしていたはずのGKの気迫が勝ったのか、相手キックはポスト左に外れます。まだあり得るぞ、との思いから、勝負に出ます。まず手こずっていたFWに対して2バックで対抗。ほどなく同点を狙ってFWの枚数を増やし、2-3-2のフォーメーションに変更。 その後は一進一退の状況をつくりチャンスを作ったりして進みはしたものの、残念ながらそのままタイムアップ。 敗戦に落ち込んだ選手たちが戻ってきます。しかし、ここまで戦えるようになった選手たちに拍手を送りたい気分でした。 もっとうまくなって欲しい。指導者としての質を上げなければと感じさせてくれました。 2試合目。 初戦負けた同士の一戦です。相手も悔しさを抱えた中挑んでくるでしょう。こちらも初戦の惜敗から何を学んでどのように振舞えるのか?選手たちが成長する大きなチャンスとなります。勝って今年を締めくくりたい。 とはいえ、ある意味うまくいった初戦と大きく変えることはありません。選手たちを信じて少ないアドバイスで送り出します。 前半。 失点のリスクを少なくしつつチャンスを伺います。相手プレスもそんなに強くなく、グランドが乾いて回復したこともあり、ボールを保持できる時間も増えてきます。効果的な縦パスもときおり出てきて、守備の破綻もありません。マイボール時に仕掛けて失うというシーンはあるものの、後ろはしっかりとゾーンを築いて、破綻なく後半に期待を感じさせながら前半を折り返します。 ハーフタイム。こんな時はあまりアドバイスすることもありません。このまま続ければ大丈夫、と伝えピッチに送り出します。 後半。 メンバーを一部入れ替えてスタート。選手たちはこの一年で、自分のエリアでのタスクをしっかりと身に着けてきているので大きな破綻はありません。 中盤すぎ、点取り屋の左サイドハーフが、弾んだボールを巧妙にキープし相手DFと入れ替わり前進。GKとの1対1を制して待望の先取点をゲット!ベンチも盛り上がります。 しかしこれからが勝負。相手は同点目指して前がかりになるはず。それを真に受けて自陣に張り付けられるのか、軽くいなせるのか。慣れていないといえば正直慣れていないのです。守備力向上中とはいえ、相手の圧力に屈してしまうことはよくあることです。案の定、ペナルティエリア内での混戦から「あわや」というシーンも作られましたが、どうにかクリア。胸をなでおろします。 そして、押し込まれた後に、右サイドからカウンター。後半から入った5年生が果敢にチャレンジしてくれます。その流れから得たコーナーキックを起点に、相手ペナルティ付近で浮き球の攻防。ボールがスペースに流れたところ、右サイドバックからポジションチェンジしていた5年生左サイドバックの前にこぼれ、シュートチャンス。ダイレクトで振りぬいてシュートかと思いきや・・・。近寄る相手DFを交わしペナルティエリアに侵入。GKの動きをよく見て右サイドに流し込んで待望の追加点! 残り時間はわずか。このまま行って欲しい(心の叫び) 結局、そのまま終了。 1位トーナメントで初戦を互角に戦い、結果敗れたものの、3位決定戦できっちりと無失点で勝利をつかむ。 何という成長ぶりでしょうか。 コロナ禍の影響をまともに受けながらU12をスタートした学年でした。2人しかいなかった6年生にヘルプとは言えない形で5年生ながらかかわらざるを得なかった現6年生 そのころは、サッカーに対する意識も技術も先行き不安な状況。下級生学年チームに押し込まれてしまうようなチームだった彼らが、地域のリーグでともすれば優勝できたかも、などと思えるまでに成長しました。 個々の技術の甘さや足りなさはたくさんあります。 しかしサッカーは―チームスポーツ。自分に課されたタスクを理解しつつしっかりとやり遂げるという視点も必要。上手な選手がたくさんいるチームに、集団で活路を見いだすための重要な考え方だと思います。 育成の段階で個の成長を妨げるものとして、タスクが明らかになりすぎることがあげられたりします。もしかすると楽しみながらうまくなるには、自分の好きなように振舞って試行錯誤の中から自ら答えを見いだしていくことも必要でしょう。 しかし、サッカーがチームスポーツである以上、チーム内での自分のタスクを理解し、それをしっかりこなすことに楽しみを感じて成長していくという成長の形もあるのではないでしょうか? きっと明快な答えはないと思います。 地域の少年団としては、所属する選手の個性を見ながら、どの方法がその個とチームの成長を促せるのか、臨機応変に対応していく必要があるのだな、と新たな思いを感じさせてくれる一日でした。 そんな思いにさせてくれた今日の試合。選手たちに「ありがとう」と思いながら。
最近の記事